翼
「イザヤールさま」
愛しい存在。
「好きです、イザヤールさま」
愛しい心。
その真っ直ぐな瞳も、うっすらと染まる頬も、しなやかな腕も、かつて有った翼も。
我が名を紡ぐやわらかな唇と声を塞いで、その甘さとぬくもりに浸る。
――誰にも、渡したくない。
数十倍もの時間を過ごしてきた相手の、こんな、子どものような独占欲を知ったら、
この瑞々しく清らかな娘は。
笑うだろうか、呆れるだろうか――
「イザヤールさま…?」
だが、閉じ込めることなどできない。
自身が望めばいつでも羽ばたいて、無限の大空へ飛び立つことのできる、自由な翼。
それでも、この腕にとどまる間だけは、
俺だけの――
end.- - - - - - - - - - - - - -
ポエマー師匠。
…すみません、俺って書きたかっただけです(´∀`)*拍手より再録
(2010.9.20)